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古代史探訪 enkieden.exblog.jp

神社、遺跡めぐり   1943年生   印南神吉 (いんなみかんき)


by enki-eden
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五色塚古墳

 五色塚古墳(千壷古墳)と小壷古墳
 五色塚古墳管理事務所: 神戸市垂水区五色山4丁目   電 078‐707‐3131



 
 狭い道を曲がりくねって行きますので分かりにくいですが、無料駐車場があります。古墳は大体そのような場所にあるのが多いですがねぇ。
 五色塚古墳は4世紀末~5世紀はじめに築造された兵庫県下最大の前方後円墳で、全長194mです。時代的には、14代仲哀天皇から16代仁徳天皇の頃と考えられます。
 古墳の大きさとしては全国で39番目ですが、同時代のものでは奈良県佐紀古墳群の王墓より少し小さめの大きさです。
 神戸市が昭和40年から10年がかりで発掘調査と復元工事を行いました。パンフレットによりますと、古墳は三段に築かれ、斜面にはびっしりと石が葺かれ、各段の平坦面と頂上には鰭付円筒埴輪が立てられていました。一番下の段の葺き石は近くで取れたものですが、二段目と三段目は淡路島の東側の海岸で産出するものであることが分かりました。円筒埴輪の他に、蓋形埴輪、盾形埴輪などが出土、濠の中には島状の土壇が造られ、祭祀を行っていたのでしょう。
 五色塚古墳の西側にある小壷古墳は直径67m、高さ9mの二段に築かれた円墳で、埴輪がめぐらされていましたが葺石はありません。築造時期は同じく5世紀初めと推定されています。
 五色塚古墳の墳頂からは明石海峡を隔てて淡路島が望め、右手に播磨灘、左手に大阪湾、天候がよければ紀伊半島・友ヶ島まで望めます。
 五色塚古墳・小壷古墳は海を見下ろす位置に造られているので、葬られている人は海と深い関わりがあったと考えられます。明石海峡を治めていた海人の豪族で、本州と淡路の間を往復していたのでしょう。
     五色塚古墳(パンフレットより)
五色塚古墳_d0287413_11391374.jpg

     前方部から明石海峡を望む
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     前方部から後円部を望む
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     円筒埴輪
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     濠内の土壇
五色塚古墳_d0287413_11432649.jpg

     小壷古墳
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 五色塚古墳の2km北西に大歳山遺跡があります。神戸市垂水区西舞子4丁目。大歳神を祀る大歳神社があったので大歳山と呼ばれていたようです。
 明石原人の化石を発見した考古学者・直良信夫(なおらのぶお)博士が大正11年に縄文時代前期の土器を発見し、「大歳山遺跡」と名付けました。近畿地方の代表的な縄文遺跡として有名です。大歳山は、東西約280m、南北約150mの高台で明石海峡を見渡せる景色の良い所です。山田川沿いの住宅街の中にあり、駐車場がありませんので遺跡の横に車を停めます。
 数度の発掘調査が行われ、縄文時代の遺物が出土するだけでなく、弥生時代にも集落が営まれており、竪穴住居が復元されています。
 また、古墳時代に円墳や小さな前方後円墳(6世紀)が築造されました。前方後円墳は全長37mと小さいですが、一番南の眺めが良い所に築かれています。
 神戸市は弥生時代後期の集落と前方後円墳1基を含む遺跡の中心部約4,000㎡を買い取り、遺跡公園として整備しました。




 神戸市教育委員会文化財課 神戸市埋蔵文化財センターに神戸市の古墳や遺跡からの出土物が保管または展示されています。
 神戸市西区糀台6丁目 西神中央公園内    電話:078‐992‐0656
 駐車場はありませんので付近の有料駐車場を利用します。


印南神吉   メールはこちらへ  nigihayahi7000@yahoo.co.jp

by enki-eden | 2013-03-06 01:00