古代史探訪

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たたら製鉄の再現

 5月19日(日)10時より、兵庫県立考古博物館の野外で古代の「たたら製鉄」の再現が行われました。
 4個の練炭火鉢の底を抜いて重ね、炉を造ります。底の方に送風用のパイプを取り付け、中間部分には炉内温度を測るためのパイプが付いています。
 ユミギリ(弓錐)式で火を起こし、麻ひもをほぐした繊維に火を点けて炉に入れる。次に木炭を小さく砕いて炉に入れると、ふいごの代わりに送風機で風を送る。すると煙と火の子が噴出してきます。
 1時間ほど木炭を入れて送風すると、炉内の温度が1300度に上がり、炉の中に木炭と砂鉄を交互に入れます。3時間ほどすると鉄のケラ(塊)ができあがります。
       イベントの説明
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    炉とふいご
     炉は練炭火鉢の底を抜いて4つ重ねます。一番下にふいごの風を送るパイプが
     付いています。中間部に二つあるパイプは温度計を入れるためにあります。
     ふいごは小さな電気送風機で代用します。
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       古代のユミギリ(弓錐)式で火を起こし、火種を得る。
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       麻ひもをほぐした繊維に火種で火を点け、炉に入れる。
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       木炭を入れて燃やす。
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       炉の温度がどんどん上がっていく。
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     温度計をパイプから入れて測る。
      ここで雨が降り出し、中止になりました。このあとに砂鉄と木炭を
      交互に入れて、ケラ(鉄の塊)を造り、取り出す予定でした。
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     上がケラ(鉄の塊)で、下がノロ(炉の底にたまった不純物)
      前回の実験の生産効率は砂鉄1.6kgと木炭3.5kgで取れる鉄は
      400gだったそうです(効率25%)。多いときで効率は50%ほどらしいです。
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     古代では、砂鉄を砂から分離するには「鉄穴流し かんなながし」で
     取り出していました。樋の上部に砂を置き、水で下に流す。砂鉄と砂の
     比重差により分離できる。実際はもっと大掛かりなものです。
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       鉄穴流しで取り出した真っ黒な砂鉄
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 淡路市教育委員会の方々も来られていまして、五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)の鍛冶工房の説明をしてくださいました。
 1世紀から2世紀にかけて百数十年間も工房が営まれていたそうです。生産物は主に武器で、鉄鏃(やじり)が多いようです。鉄鏃の造り方を実演してくださいました。
       ふいごで風を送り、火の温度を上げる。
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       釘を火の中に入れる。
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       この火で熱した釘を石で叩いて平たくする。
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       水につけて冷ます。
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       それを砥石で磨いて鏃を造る。
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 次回から2回に分けて、記紀における「蹈鞴製鉄」と「国生みと出産」の関わりについて
お話します。
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by enki-eden | 2013-05-20 00:00