古代史探訪

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恵比須神社(桜井市三輪)

三輪坐恵比須神社(みわにいますえびすじんじゃ)、「三輪のえべっさん」
 奈良県桜井市三輪375   電:0744-42-6432   駐車場はありません
 祭神: 八重事代主命、八尋熊鰐命、加夜奈留美命
 由緒:
 日本最初の市場である海柘榴市(つばいち)の守護神として創建されました。「つばいちえびす」として商売繁盛、福徳円満の古社であり、恵比寿信仰の大元です。海柘榴市は三輪山の南麓の金屋で、初瀬川の川べりに物々交換の市として開かれました。
 926年7月(60代醍醐天皇の時代)の大雨で、初瀬川が氾濫して、市は海柘榴市から三輪の地へ移りました。その時、市の守護神も三輪に移されました。海石榴市の守護神から三輪市の守護神となり、市の繁栄とともに信仰を集め、今日の恵比須神社になっています。従って、当神社は「市場神社」あるいは、「日本最初市場の神」と称し、あらゆる産業の守護神として信仰されています。
   日本最初市場 三輪坐恵比須神社由緒・略記
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 海柘榴市は、歌垣(うたがき・市などに男女が集まり、歌や飲食などを楽しむ)が行われた所としても有名です。 現在の合コンのようなものでしょうか。私は行ったことがありませんが…
 万葉集にはこの海石榴市で詠まれた男女のやりとりの歌があります。

  紫は 灰さすものぞ 海石榴市の 八十の街(やそのちまた)に 逢へる子や誰れ
                                   万葉集 12‐3101
  
  
  たらちねの 母が呼ぶ名を 申(まお)さめど 路行(みちゆ)く人を 誰と知りてか
                   3101への返歌      万葉集 12‐3102
  
  海石榴市の 八十の街に 立ち平(なら)し 結びし紐を 解かまく惜しも
                                   万葉集 12‐2951

     鳥居
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     拝殿
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     拝殿内
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     日本最初市場
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     ケヤキの神木
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   境内社の琴比羅神社(祭神:大物主神)
   日本で最初に開けた海柘榴市(つばいち)ゆかりの流れを汲む恵比須神社の
   境内に祀られ、恵比寿・大黒の大黒として増殖・蓄財のご神徳が仰がれています。
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 祭神の中で加夜奈留美命はあまり有名ではありません。備中一宮・吉備津神社の社家の筆頭は賀陽(かや)氏ですが、「加夜」は「賀陽」でしょう。賀陽氏は備中国賀夜(かや)郡(現在の岡山県総社市東部、岡山市西部、上房郡賀陽町、有漢町)を本拠地とした豪族です。大和朝廷に早くから采女(うねめ)を出していました。
 奈留美は現代的には女性名に見えますが、男性でしょう。
 吉備津神社の創建は、社伝によれば吉備津彦命(7代孝霊天皇皇子)より5代目の加夜臣奈留美命が、吉備の中山の麓に祖神である吉備津彦命を祀ったとあります。

 志賀 剛著「神名の語源辞典」によりますと、『賀夜奈留美命神社(大和・高市郡)の語源は「山の陜(かい)なだらかな所にある神社」。かい→かえ→かや(賀夜)となる。タルミは山や丘の傾斜地のこと。タルミ→ダルミ→ナルミとなる。』とあります。
 吉備津神社は北随神門から入るには急な階段を登りますが、南随神門から入るには「なだらかに上る」長い回廊を上って行くことになります。大和の飛鳥川上流に鎮座の加夜奈留美命神社は「なだらかな傾斜地(坂)」にあります。
 また、「三輪(ミワ)は水輪で、水(川)の曲がる地点を指す。三輪山は初瀬川が曲がって水の輪となる所にある。全国の三輪・美和・三和・箕勾・弥和は全て水(川)が輪になっている所である。」とあります。
     初瀬川が三輪山の南で曲がる所

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by enki-eden | 2013-08-04 00:03