古代史探訪

enkieden.exblog.jp
ブログトップ

上賀茂神社(かみがもじんじゃ)②

 鴨川と賀茂川について
 「かもがわ」は同じ川でも賀茂川・加茂川・鴨川などと表記されていました。出町柳(でまちやなぎ)で東からの高野川と西からの賀茂川が合流しますが、明治になって合流するまでの川を「賀茂川」、合流してからの川を「鴨川」と表記することになりました。上賀茂神社・下鴨神社のあたりは賀茂川で、祇園四条あたりは鴨川になります。

 6月30日に行われる上賀茂神社の夏越祓式(なごしはらえしき)においては、午後8時から夕闇にかがり火が小川を照らす中、氏子崇敬者より持ち寄られた人形(ひとがた)を投じ半年間の罪穢を祓い清めます。気候によりますが、京都では5月の終わり頃から蛍が飛び交うようですよ。
   風そよぐ なら(楢)の小川の 夕暮れは 禊(みそぎ)ぞ夏の しるしなりける
                                  藤原家隆

d0287413_14351872.jpg

d0287413_14354035.jpg

   末社の川尾神社、祭神は罔象女神(みずはのめのかみ)で迷いを取り除く神。
d0287413_1436384.jpg

 正面に摂社の新宮神社(重要文化財、祭神は高龗神、たかおかみのかみ)、左奥は末社の山尾神社(祭神は大山津美神)。新宮神社は工事中のため仮本殿に鎮座。
d0287413_14362740.jpg

d0287413_1436442.jpg

   伊勢神宮遥拝所
d0287413_1437541.jpg

 第一摂社の片岡社(重要文化財)。鈴緒の一番上に大きな鈴ではなく、小さな鈴がたくさん付いています。祭神は玉依姫(賀茂別雷大神の母神)で、ご利益は縁結び・恋愛成就・子授かり。
 玉依姫(鴨玉依姫)の父は賀茂建角身(かもたけつぬみ)で、山城の賀茂氏の始祖、下鴨神社の祭神です。八咫烏(やたがらす)となって神武東遷を先導したあと、大和葛城の高鴨から山城に移り住みました。玉依姫の母は丹波の神伊可古夜日売(かむいかこやひめ)です。丹波国氷上郡(現在は兵庫県丹波市氷上町)に神野神社(かんのじんじゃ)が鎮座、祭神は別雷命です。2km南東の氷上町賀茂に賀茂神社が鎮座、祭神は賀茂大明神です。
d0287413_14373970.jpg

d0287413_1438173.jpg

 片岡社には紫式部が何度もお参りしました。縁結びの源氏物語絵馬がたくさん下がっています。絵馬はハート型をしていますよ。紫式部も縁結びをお願いしたのでしょうか?
     ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしづくに 立ちや濡れまし   紫式部
        (ほととぎすの声を待ちわびて、片岡社の森の露に立ち濡れてみましょう。)
 この「ほととぎす」は「鳥」と「恋人」をかけているのでしょうか?
d0287413_1438453.jpg

d0287413_1439372.jpg

d0287413_14391931.jpg

 片岡社本殿、正式名は片山御子神社。片岡山(片山)の麓に鎮座。
 枕草子231に『岡は、船岡、片岡。鞆岡(ともおか)は、笹の生えているのが風情あり。語らいの岡。人見の岡』とあります。
d0287413_1440185.jpg

d0287413_14401724.jpg

                    ***
遺跡の保存
 文化財保護法は1950年(昭和25年)に成立した歴史的・文化的・自然的遺産である文化財を保護する法律です。前年に法隆寺金堂の火災で金堂壁画が焼失したのをきっかけに法案が提出されました。文化財の保護は文部科学省の文化庁が担当します。自治体も条例などを定めて文化財の保護に努めています。
 遺跡・遺構の埋蔵文化財は、土地の所有者でも勝手に発掘できません。土木工事などを行う場合は事前に教育委員会に届け出・通知をしなければなりません。県や市町村の教育委員会では埋蔵文化財包蔵地の地図を作っています。出土物は、国や都道府県の所有になります。
 しかし、戦後の高度経済成長による開発のため、全国で多くの遺跡が破壊されてしまいました。外国でも同じです。
 教育委員会の職員が遺跡として登録しようとすると、批判され人事異動ではずされることがありました。開発優先の価値観では、遺跡の保護は邪魔でした。こうして多くの遺跡が失われましたが、最近では文化財保護の意識が高まり、全国で管理と整備が進むようになりました。23年間のデフレ不況で開発が鈍ったということも関係あるでしょうか。
 今後は再び経済が発展していくと考えられますが、文化財の保護は守られると思います。
[PR]
by enki-eden | 2014-01-07 00:03