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古代史探訪 enkieden.exblog.jp

神社、遺跡めぐり   1943年生   印南神吉 (いんなみかんき)


by enki-eden
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古代史とミトコンドリア(mitochondria)

 ミトコンドリアは生物の細胞に含まれる細胞内構造物の一つです。ミトコンドリアは、血液により細胞に運ばれてきた酸素でぶどう糖や脂肪を燃やし、二酸化炭素と水とエネルギーに分解する。生物はそのエネルギーを利用して体温を保ち運動をします。
 爬虫類(鳥類を含む)のミトコンドリアは哺乳類と違って特異な働きをします。非常に効率よくエネルギーを発生します。

 細胞核にあるDNAとは違い、ミトコンドリアは独自のDNAを持っています。ミトコンドリアDNAは本来のDNAと区別してmtDNAと表します。ミトコンドリアに核はなく、数千のmtDNAがミトコンドリア内に存在しています。

 生物がどのように進化したのかを調べるには、通常のDNAよりもmtDNAが便利です。mtDNAの塩基置換は通常のDNAより5~10倍早いとされています。人とチンパンジーのDNAを比べると、違いは1%ですが、mtDNAを比べると、違いは9%です。mtDNAの方が同じ期間内に塩基置換が多く行われているからです。DNAを調べても違いが少ないのに対し、mtDNAはDNAの5~10倍違いがあるため、比較しやすいのです
 そして一つの細胞の中にはmtDNAは数千コピーが存在しますが、DNAには一つだけです。DNAの場合は、細胞一つから一つのDNAしか抽出できません。

 父親のmtDNAは精子の核にあるのではなく、精子の鞭毛基部に付いており、卵子と精子が受精した後、鞭毛とmtDNAは排除されるので、mtDNAは母親のものだけが子供に伝わります(母系遺伝)。この特性により生物の進化を調べると、mtDNAの母親のみをたどることで一人の女性にたどり着くわけです。
 ミトコンドリアで祖先をたどると、アフリカ人が最初に分岐するグループであることが分かります。その祖先は約17万年前に生存していたアフリカの一人の女性に行き当たります。これをミトコンドリア・イブ(人類の母)と呼びます。
 アフリカの気候が乾燥化して、人類の「出アフリカ」が始まり世界中に広がっていきます。その時期は6万年前頃だと言われますが、今後の人骨出土状況によって時期はもっと古くなる可能性があります。

 ミトコンドリアは世界に80パターンのDNAがあり、日本人には16のパターンがあります。日本人のミトコンドリアハプログループは、
 D4が33%で中国西部系、D5が5%で中国南部系。
   日本人に一番多く長寿に関連する。
 Gは8%、北部・中央アジアから入ってきた。
 Aは7%で、北部・中央アジアから入ってきたグループ。北米にも渡った。
 M8a、Z、Cは3%で中国北部系。
 M10は1%、中央アジアから入ってきた。
 N9a、N9bは9%、北方アジア系。
 M7a、M7b、M7cは合計14%で、南方系で沖縄に多いが全国に広がった。
   M7aは日本にのみ存在する縄文系で、北に行くほど頻度が少なくなるが
   アイヌでは16%ある。
   M7bは華南、M7cはフィリピンに多く分布。
 B4が9%、B5が4%で東南アジアやポリネシアのグループ。縄文時代には入っていた。
 Fは6%で、東南アジアから日本に入ってきたグループ。
   アジア南部で分岐し、痩せ型で北方の気候には向かない。東南アジアでは
   最大のグループ。

 ミトコンドリアDNAの解析は、遺跡から発掘される古代人の骨からもできます。日本固有パターンは縄文人しかないので、縄文人と弥生人の混血で現在の日本人を形作っていることが分かります。
 縄文人も単一ではなく複合民族です。縄文人とその後の渡来人の遺伝子割合は1対2です。
 ミトコンドリアの分析でも、Y染色体の分析でも、人々の日本列島への移住は男女あるいは子供も含めて行われたことが分かります。縄文人、弥生人、その後の渡来人は男女両方の遺伝子があるからです。
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 ミトコンドリア(母系)ではなく細胞核のY染色体(父系)で見ると、アフリカからアラビア半島に渡り、インドから北部へ移ったのがチベット人のD1、D3グループです。同じDグループのD2グループは北部へ行かず、東南アジアから西南諸島沿いに北上して、3万年前に日本列島にやってきました。これが縄文人の主力です。
 これ以外にC1a1グループの沖縄港川人があり、C2aグループがシベリアから北海道・九州へ入り列島に定着しました。このDとCのグループが混ざって縄文人となりました。日本人のY染色体分布は統計によって数値が少し違いますが、Cが7%で、Dが40%ですから縄文系が47%になります。
 縄文系の割合が日本の平均より多い地域は、北海道が63%、関東が52%、沖縄が53%です。平均より少ないのは中国地方(吉備)の19%、四国の38%、九州の39%、中部地方(尾張)の41%です。
 Y染色体のDグループ(縄文系)はチベット以外には、中近東に少しあるだけです。日本人は世界の中でもマインドが独特なのは、この縄文系の影響が大きいと考えています。もちろん良い影響ですよ!

印南神吉   メールはこちらへ  nigihayahi7000@yahoo.co.jp

by enki-eden | 2014-07-23 00:12