古代史探訪

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真脇遺跡(まわきいせき、石川県鳳珠郡能登町字真脇)

 縄文時代、6000年前から2300年前までの4000年に近い長期定住集落遺跡である。竪穴住居跡、彫刻柱、縄文土器、炉跡、土壙、環状大溝などが出土し、真脇遺跡公園として整備されている。
 採集・漁労の生活集落跡で多くの出土物があり、最古の土面も注目される。37,600㎡が国の史跡に指定され、出土物の内219点は国の重要文化財になっている。
 船は出土していないが船の櫂(かい)や遠隔地からの土器、玉が出土しており、各地との交易があった。大量のイルカの骨が出土しているのでイルカ漁が盛んであった。


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 中でも興味深いのは、直径50cmから100cmの太い栗材を縦に半分に割り、10本を半円状に並べた「環状木柱列」である。約2800年前の地層からの出土で、木の丸い方を円の内側に向けている。
 直径7.5m、6.2m、5.3mの3基が検出され、復元されている。この形式の木柱列は石川県金沢市(チカモリ遺跡)、新潟県糸魚川市(寺地遺跡)、富山市古沢(古沢A遺跡)、長野県原村(阿久遺跡)などがある。
 イギリスで4000年以上前にケルト人によって造られたストーンヘンジ(ストーンサークル、環状列石)に似ているのではないか。
 これらは太陽信仰と関係しているのか、日時計や暦なのか、定説には至っていない。

 真脇遺跡は入江(真脇湾)に面し、海岸から10mほど小高くなった丘陵地にある。盛り土による集団墓地も確認されている。約4500年前の地層から板敷き土壙墓が4基見つかっている。
 周辺には真脇遺跡縄文館(電 0768-62-4800)があり、出土物を見学できる。20年ほど前に天皇皇后両陛下が訪問された。
 そのほか、子どもたちが野外で楽しめる「加夢加夢ランド」があり、「真脇ポーレポーレ」(電 0768-62-4700)では食事、宿泊、真脇温泉などを利用できる。

 石川県能登町教育委員会は1月22日、真脇遺跡で「ほぞ状の突起」がある縄文時代晩期(約3000年前)の「角材」が見つかったと発表した。
 「ほぞ」が付いた木製品は縄文時代後期の遺跡で見つかることがあるが、いずれも木材は丸太で角材ではなかった。真脇集落の木材加工技術の進歩が窺がわれ、高い建築技術を持っていたことが分かる。
 角材は横たわった下半分がまだ土中に埋まっているが、全長は約91cm、幅約16cm、厚さ約7cm。片方の先端に長さ約10cm、幅約6cmの「ほぞ」を備えていた。別の木材の「ほぞ穴」に挿し込んで木材を組み合わせていたことが分かる。

 当時の住居は丸い材木を縄で縛って造る竪穴住居が主流であったので、この出土した木材は神殿などに使ったのでしょう。祭祀遺物も見つかっている。
 材質は腐食に強い針葉樹のアスナロで石川県・富山県では「アテ」と呼ぶ。変形やヒビを抑えるために木の芯を避けて切り出されていた。(芯去材、しんさりざい)
 鉄器のない縄文時代だから、鋭利な青銅器や石器で木材を加工したのでしょう。しかし、三内丸山遺跡や真脇遺跡の木製品の美しい仕上がり具合を見ると鉄器もあったのではないかと考えられる。少なくとも褐鉄鉱ならあったでしょう。
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by enki-eden | 2015-02-07 00:07