人気ブログランキング | 話題のタグを見る

古代史探訪 enkieden.exblog.jp

神社、遺跡めぐり   1943年生   印南神吉 (いんなみかんき)


by enki-eden
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)

 兵庫県西脇市野村町字緑風台1813-11  電0795-22-3000 
  無料駐車場あります。
 緑風台窯跡は兵庫県指定文化財で、兵庫県最古の陶器生産地。
 古窯陶芸館は鉄筋コンクリート一部鉄骨造りで、曲面を多用したユニークな建物です。2号窯跡を発掘当時のまま周囲から見ることができる。
   パンフレットの平面図・館内図
緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)_d0287413_1033027.jpg

 緑風台窯跡は1978年に住宅地を造成する際に発見され、発掘調査の結果2基の窯址(かまあと)が見つかった。約800年前の平安時代終わり頃の窯址です。周辺は住宅地になっている。
 岡の傾斜地にトンネルを掘った地下式の穴窯(あながま)になっており、1号窯跡と2号窯跡がある。1号窯跡が長さ17m、2号窯跡が13mある。1号窯跡は埋め戻された。
   古窯陶芸館内に2号窯跡、手前の埋め戻した場所が1号窯跡。
緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)_d0287413_10342528.jpg

 焚き口の奥に炎の回りを良くする分焔柱(ぶんえんちゅう)があり、西日本では緑風台窯跡だけに設置されている。
緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)_d0287413_10344025.jpg

 分焔柱は愛知県の常滑窯(とこなめよう)や瀬戸窯が発祥地で、東海地方で窯業を学んだ職人が緑風台で始めたと考えられている。窯跡の構造や出土物が東海地方と同じです。
   パンフレットの穴窯(あながま)
緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)_d0287413_10333031.jpg

 兵庫県では最も早く陶器生産を行った窯跡で、出土物は四耳壺(しじこ)、片口鉢(かたくちはち)、甕(かめ)、小皿、水瓶(すいびょう)、瓦などです。
 地下式の穴窯は手前の焚き口から薪を入れる。焼き物の出し入れもここから行う。
 燃焼部で燃えた炎は、窯(かま)が斜めの煙突のようになっているので、焼成部を通って煙出しから出ていく。この仕組みで焼成部に置いた焼き物が焼ける。
   パンフレットの窯の構造
緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)_d0287413_1033505.jpg

 2号窯上方から下方を見る。
緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)_d0287413_1035190.jpg

 下方から上方を見る。
緑風台古窯陶芸館(兵庫県西脇市)_d0287413_10351610.jpg

 西脇市から加東市北部にかけて250基ほどの窯址(かまあと)が見つかっている。古いものは古墳時代後期(6世紀)のものがあるが、ほとんどは12世紀頃の窯址で須恵器を焼いていた。
 分焔柱(ぶんえんちゅう)のある窯で陶器を焼いていたのは緑風台だけです。西脇の窯業は12世紀末に丹波窯に先立って兵庫県最初の陶器生産が始まったが、13世紀末頃に途絶えてしまった。

印南神吉   メールはこちらへ  nigihayahi7000@yahoo.co.jp


by enki-eden | 2016-05-17 05:29