古代史探訪

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伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓い(みそぎはらい)

 伊弉諾尊(西暦125年頃-190年頃)は倭王兼7代目奴国王であったが、「タウポ火山の噴火」による地球規模の天候異変の影響で、西暦180年代に起きた倭国大乱により権威失墜し、淡路島に隠遁した。神陵に「伊弉諾神宮」が建立されている。
  
 日本書紀によると伊弉諾尊が、亡くなった伊弉冉命(いざなみのみこと)を黄泉の国(よみのくに、出雲)まで追いかけて行ったが、約束を守らず喧嘩別れになり、島根県松江市東出雲町揖屋(いや)の泉津平坂(よもつひらさか、黄泉比良坂・伊賦夜坂)で縁切りして、逃げて還った。
 泉津平坂は35mほどの小高い山間にあり、この世と黄泉の国との境界になっている。小さな池と少し大きな池の間にあり、大きな岩が行く手を遮る。
 800mほど北西に揖夜神社(いやじんじゃ)が鎮座しており、伊弉冉命を祀っている。



 伊弉諾尊は筑紫に帰還して、「日向(ひむか)の川の落ち口の橘(たちばな)の檍原(あわきはら)」で穢れ(けがれ)を清める禊祓い(みそぎはらい)をした。
 この時期は西暦170年から180年頃ではないかと思います。

 出雲から筑紫に船で帰ってくるときに、ランドマークとして立花山(たちばなやま、367m)を目指して船を漕いでくる。
 立花山に近づくと、新宮海岸(しんぐうかいがん)に着き、港もある。現在は新宮漁港として整備されている。伊弉諾尊が出雲から帰還して上陸したのはこの新宮海岸だったのではないか。
 立花山の麓からは湊川が流れ、新宮海岸に注いでいる。伊弉諾尊が「日向の川の落ち口の橘の檍原」で禊祓いをした川はこの湊川と考えられる。
 檍原(あわきはら)は立花山から新宮海岸までの雑木林を云うのでしょう。現在は開発されて市街地になっている。
 伊弉諾尊が禊祓いをした時に、多くの神々が生まれている。伊弉諾尊は湊川で禊祓いを終えると、博多湾に入り王宮に戻っていった。
  赤が新宮海岸、黄が湊川、青が立花山。


 新宮海岸の松林(楯の松原)の中の福岡県糟屋郡(かすやぐん)新宮町(しんぐうまち)下府(しものふ)に新宮神社が鎮座。
 祭神は墨江三前神(すみのえみまえのかみ)で、底筒之男神、中筒之男神、上筒之男神の三柱の神(住吉三神)。住吉三神は伊弉諾尊が禊祓いをした時に生まれた。
 福岡市博多区住吉に筑前国一宮の住吉神社が鎮座しており、当地を檍原(あわきはら)に比定する説もある。

 新宮神社の2kmほど東南の糟屋郡新宮町上府(かみのふ)にも新宮神社が鎮座。祭神は熊野楠日命(くまのくすひのみこと)、伊弉冉命(いざなみのみこと)、速玉男命(はやたまのおのみこと)、事解男命(ことさかのおのみこと)。
 新宮神社は元々湊川河口に鎮座していたが、上府村と下府村が神社運営に関して意見が分かれたので、上府村と下府村に分社して二社に分かれたと云う。

 湊川の河口付近には、糟屋郡新宮町新宮に磯崎神社が鎮座、祭神は大己貴命、少彦名命、素戔嗚命。糟屋郡新宮町湊には綿津見神社が鎮座、祭神は綿津見三神で、底津綿津見神、中津綿津見神、上津綿津見神。1.2km南西の福岡市東区三苫(みとま)にも綿津見神社が鎮座。
 綿津見三神は阿曇連(あずみのむらじ)がお祀りしており、伊弉諾尊が禊祓いをした時に住吉三神と共に生まれた。

 立花山の麓の糟屋郡新宮町立花口に六所神社が鎮座。立花口と云う地名が示すように、駐車場に車を停めて立花山に登れるようになっている。
 祭神は加茂大神、春日大神、天照大御神、宇賀大神、熱田大神、木舟大神。伊弉諾尊の禊祓いの由来により、天照大神が鎮座されたと云う。
 伊弉諾尊が禊祓いの時に、左の眼を洗うと天照大神が生まれ、右の眼を洗うと月読尊(つくよみのみこと)が生まれ、鼻を洗うと素戔嗚尊(すさのおのみこと)が生まれた。

 六所神社より600mほど下った糟屋郡新宮町原上(はるがみ)に川上神社が鎮座。祭神は豊玉姫命、玉依姫命、神功皇后、伊弉册命(いざなみのみこと)、速玉男命(はやたまのおのみこと)、事解男命(ことさかのおのみこと)。
 昔は香椎宮の末社となっており、香椎宮の大宮司が参拝のため原上(はるがみ)の神功屋敷(現在は皇后屋敷)に宿泊し、貢物を奉納していた。

 福岡市中央区に鎮座の警固神社(けごじんじゃ)には、八十禍津日神(やそまがつひのかみ)、神直日神(かんなおひのかみ)、大直日神(おおなおひのかみ)が祀られている。この三柱の神(警固大神)は伊弉諾尊の禊祓いの時、最初に生まれた。
  
 伊弉諾尊の禊祓いを由来として、宮中では「大祓い」が行われてきた。全国の神社でも年中行事の一つとして6月に夏越(なごし)の祓い、12月に大祓いが執り行われている。
 黄泉の国から還ることを蘇る(よみがえる)として、穢れを禊祓いして新しく生まれ変わることが、神道では大変重要な儀式となっている。

 昨今のニュースを見ていると、指導的な立場にある人が欲深い悪だくみをし、大きく報道されても反省せずに、のうのうと暮らしているのは見苦しい限りです。禊(みそぎ)をしてもらわないといけません。
 こんな世情の中で、山口県周防大島で2才の男児を救助した尾畠春夫さん(78才)には全国民が感動しましたね。
Innami Kanki
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by enki-eden | 2018-08-30 13:46