壱岐の古代文化展
兵庫県立考古博物館で、「壱岐の古代文化 海をめぐる生業と交流」と題して展示会が開かれています。7月20日から9月1日までの開催で、長崎県壱岐市立「一支国(いきこく)博物館」と兵庫県立考古博物館の連携企画展になっています。

長崎県壱岐市教育委員会教育長の久保田良和氏の開催のことば、
『壱岐島は、太古より海上交通の要衝、対外交流の拠点として重要な役割を果たしてきました。
旧石器時代より現代に至るまで、途切れることなく東アジア諸国との交流の歴史を刻み続けてきた壱岐島には、その歴史を垣間見ることができる史跡や文化財が島内各地に残っています。
島内に残る①国特別史跡 原の辻(はるのつじ)遺跡、②国史跡 壱岐古墳群、③国史跡 勝本城跡、④生池城跡(なまいけじょうあと)、⑤カラカミ遺跡、⑥岳の辻、⑦内海湾(うちめわん)、⑧国重要文化財 原の辻遺跡出土品1670点、⑨国重要文化財 双六古墳出土品412点、⑩国重要文化財 笹塚古墳出土品162点の計10件の史跡や文化財が平成27年4月24日に「日本遺産」として認定されました。
今回は、令和元年度離島活性化交付金を活用し、壱岐島の日本遺産及び島の魅力を広く情報発信する企画展を兵庫県立考古博物館にて開催いたします。本企画展を通じて、兵庫県と壱岐島の繋がりを知っていただくと同時に、国境を越えた東アジア諸国との交流によって構築された“壱岐島の歴史”を見ていただき、今まで以上に皆様が壱岐島への関心と興味を持っていただければ幸甚に存じます。
おわりに、本企画展に格別なご指導・ご協力をいただきましたすべての皆様に心からの感謝を申し上げ、開催のことばといたします。』
人面石(じんめんせき、国重要文化財)、国特別史跡の「原の辻遺跡」出土。
弥生時代後期(2000年前~1700年前)、壱岐市立一支国博物館所蔵。

左は碇石(いかりいし)、右は石錘(せきすい、漁網に使うおもり、国重要文化財)。
いずれも「原の辻遺跡」出土、壱岐市立一支国博物館所蔵、弥生時代(2300年前~1700年前)。

甕棺(かめかん)、「原の辻遺跡」出土、弥生時代後期(2000年前~1700年前)、
壱岐市立一支国博物館所蔵。甕棺は北部九州海人族と共通。

石斧(せきふ、国重要文化財)、「原の辻遺跡」出土、弥生時代(2300年前~1700年前)、
壱岐市立一支国博物館所蔵。
右端は柱状片刃石斧(ちゅうじょうかたばせきふ)、神戸市西区の「玉津田中遺跡」出土、
弥生時代(2300年前~1700年前)、兵庫県立考古博物館所蔵。

銅鏃(どうぞく)と鉄鏃(てつぞく)、いずれも国重要文化財、「原の辻遺跡」出土、
壱岐市立一支国博物館所蔵、弥生時代(2300年前~1700年前)。

金銅製パルメット文飾金具(パルレットもんかざりかなぐ)、国重要文化財、
国史跡「双六(そうろく)古墳」出土、壱岐市立一支国博物館所蔵、古墳時代後期(1400年前)。
パルメット文は鞍金具によく使われた。古代メソポタミアで始まり、シュロ(palm)が語源。

金銅製心葉形杏葉(しんようがたぎょうよう)、国重要文化財、国史跡「笹塚古墳」出土、
壱岐市立一支国博物館所蔵、古墳時代後期(1400年前)。
馬具を装着するための革帯から垂下する杏葉(ぎょうよう)。

左は金銅製貝飾付辻金具(つじかなぐ)、右は金銅製雲珠(うず)、いずれも国重要文化財、
辻金具も雲珠も馬具の革帯が交差する部分を留める金具。
国史跡「笹塚古墳」出土、古墳時代後期(1400年前)、壱岐市立一支国博物館所蔵。
右端は、貝製飾金具、三木市の「窟屋1号墳」出土、古墳時代、兵庫県立考古博物館所蔵。

中国北斉製二彩陶器(にさいとうき)、国重要文化財、国史跡「双六(そうろく)古墳」出土、
古墳時代後期(1400年前)、壱岐市立一支国博物館所蔵。
北斉(550年-577年)は南北朝時代に東魏の実権者・高洋が帝位を奪って建国した。

金銅製亀形飾金具、国重要文化財、笹塚古墳出土、古墳時代後期(1400年前)、
壱岐市立一支国博物館所蔵。
馬具の金具に亀形(スッポン?)を使うのは他に例がないのでは。

「周」文字線刻遼東系瓦質土器、「カラカミ遺跡」出土、壱岐市立一支国博物館所蔵、
弥生時代後期(2000年前~1700年前)。「カラカミ」は「加羅神」のこと。
文字付の土器は日本最古の発見で、「周」は人名だと考えられる。

上は中広形銅矛、「天ケ原セジョウ神遺跡」出土、壱岐で出土の銅矛3本の内の1本、
下は鉄製剣(国重要文化財)、「原の辻遺跡」出土、
いずれも弥生時代後期(2000年前~1700年前)、壱岐市立一支国博物館所蔵。

土器の展示も多く、壱岐の土器はベンガラ着色の赤い土器が多い。鉄素材や鉄製品も展示されていた。ガラス玉、ガラス製勾玉、銅鏡なども展示されていた。
7月20日(土)に、壱岐市教育委員会社会教育課文化財班の学芸員松見裕二さんの講演会がありましたので、次回に内容を投稿いたします。
印南神吉 メールはこちらへ nigihayahi7000@yahoo.co.jp

