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古代史探訪 enkieden.exblog.jp

神社、遺跡めぐり   1943年生   印南神吉 (いんなみかんき)


by enki-eden
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箸墓古墳を素粒子「ミューオン」で調査

箸墓古墳は、奈良県桜井市箸中にある定形型前方後円墳(280m、西暦280年頃築造)で、この築造を画期として弥生時代から古墳時代に入っていく。

被葬者は、宮内庁により「大市墓」として7代孝霊天皇皇女の倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の陵墓に治定され、周濠が国の史跡に指定されている。

箸墓古墳について、奈良県立橿原考古学研究所と名古屋大学の研究チームは19日、物質を透過する素粒子「ミューオン」を利用し、箸墓古墳内部の構造を解明するための科学調査を実施したと発表した。調査結果は来年度に公表される。




2015418日投稿の「斎槻岳(ゆづきがだけ)」をご参照ください。

   

「ミューオン」は、宇宙線が大気と衝突してできる素粒子の1種で、地上に大量に降り注いでいる。 X線よりも高い透過力を持ち、厚さ1kmの岩盤も通過するが、高密度の物質に当たると透過量が減少する。そのため透過量を計測すれば物質などの内部構造を推定できる。

エジプトのピラミッドでは、この計測により未知の空間が内部にあることが分かった。

研究チームは平成30年、「ミューオン」で奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺西の「春日古墳」に石室の空間があることを計測している。春日古墳は6世紀後半から7世紀初めに築造された30mの円墳で、藤ノ木古墳のすぐ近くにある。




 研究チームの調査は、201812月から箸墓古墳の前方部と後円部の近くに、墳丘を通過したミューオンを捉える2基の検出装置を設置して実施した。 ミューオンの痕跡を解析し、今年4月までの予定で、石室などの存在を確認する作業が続けられる。

 箸墓古墳は宮内庁が管理しており、発掘調査はできないが、橿原考古学研究所が2012年に実施した3次元航空レーザー計測で、後円部の最上段に直径約39m、高さ約4.7mの特殊な円丘がある。

 橿原考古学研究所の西藤清秀・技術アドバイザー(1953年生、元奈良県立橿原考古学研究所副所長・付属博物館館長)は、「被葬者が埋葬された竪穴式石室と推定される空間の存在が確認できる可能性がある。この調査方法は人が入れない古墳などに有効で、多くの古墳に応用できる」と云う。

私見ですが、倭国(九州)の女王臺與(235年頃-295年頃)は西暦266年に西晋に朝貢したが、大陸の内乱と北方異民族の侵入により、交易できなくなってきた。

臺與は列島統一を目指して270年頃に大和国に東遷。そのとき、卑弥呼(179年-247年)の遺骸を大和国に移し、280年頃に箸墓古墳が完成、卑弥呼を後円部に埋葬した。

 臺與も295年頃に亡くなり、前方部に埋葬された。箸墓古墳の後円部と前方部は厚い石積みで覆われており、盗掘されていないと考えられる。

 研究チームの調査結果が出れば、埋葬施設の状況がある程度分かるので楽しみです。

印南神吉   メールはこちらへ  nigihayahi7000@yahoo.co.jp  


by enki-eden | 2020-01-18 11:08