2020年 01月 29日
古墳時代の井戸に小型の銅鏡
奈良県天理市の櫟本(いちのもと)チトセ遺跡
奈良県天理市の櫟本チトセ遺跡で、古墳時代前期後半(4世紀後半、神功皇后・応神天皇の時代)の井戸2基を発見。
天理市教育委員会は昨年7月から発掘、古墳時代の集落跡を見つけ、「櫟本チトセ遺跡」と名付けた。
井戸の中から小型銅鏡、木製品、桃の種などが出土したと天理市教育委員会が発表した。古墳時代の井戸から完全な銅鏡が出土するのは、兵庫県明石市の藤江別所遺跡に次いで2例目で、「水に関わる祭祀」に用いられたと云う。
建物跡とみられる柱穴群や、水を引くためとみられる大溝も見つかった。2014年3月10日投稿の「水のまつり」をご参照ください。
2基の井戸のうち、直径2.3m、深さ1.2mの素掘りの井戸から直径3.6cm、厚さ0.5mmの銅鏡が1枚見つかった。放射状に多数の直線が表現された国産の「櫛歯文鏡(くしばもんきょう)」。
遺跡の近くには後漢の年号「中平」の文字が刻まれた鉄刀が出土した「東大寺山古墳」があり、被葬者の居住地域は分かっていなかったが、天理市教育委員会は、チトセ遺跡に被葬者が住んでいた可能性もあるとしている。
近くの天理市櫟本町2430に「和爾下神社」も鎮座しており、和爾氏との関わりが深い。
出土した銅鏡は2月1~23日に天理市文化センター(天理市守目堂町117)で展示する。〔共同〕
印南神吉 メールはこちらへ nigihayahi7000@yahoo.co.jp
by enki-eden
| 2020-01-29 11:32