蛇神(へびがみ)
蛇は、長い体形の薄気味悪い風貌、毒を持つ恐ろしさなどで、私は大嫌いですが、蛇などの爬虫類をペットにしている人も多い。爬虫類の「爬」は「這う」と云う意味です。
アルフィーの坂崎幸之助さん(1954年生)は爬虫類を飼っているので有名。
また、世界中の神話の中で蛇は「神の使い」として出てくる。日本では蛇(巳)は水神信仰と関係が深い。また、蛇は脱皮を繰り返して成長するので、「長寿」、「金運」、「生命力の強さ」などのイメージで見られている。
神社の注連縄は蛇(巳)を表わしているとも云う。
白蛇が特に貴重とされ、弁財天の使いだと云う。山口県岩国市に多く生息している白蛇は国の天然記念物になっている。
奈良県桜井市三輪の「大神神社」(おおみわじんじゃ)の祭神である大物主神は蛇神であると日本書紀の崇神天皇紀に記されている。大神神社拝殿前の大杉(巳の神杉)には大物主神の化身の白蛇(白い巳さん)が住んでおり、蛇の好きな卵が供えられている。
日本書紀によると、21代雄略天皇(432年-479年)が少子部(ちいさこべ)スガルに「私は三輪山の神の姿を見たいと思う。お前は腕力がすごいので捕えてこい。」と云われた。
スガルは三輪山に登って大きな蛇を捕まえて天皇にお見せした。大蛇は雷のような音をたて、目をキラキラと輝かせた。天皇は恐れ入って殿中にお隠れになった。そして大蛇を岳に放たせられた。あらためてその岳に名を賜い、雷(いかづち)とした。
古代、神無月(かんなづき、旧暦10月)になると、全国の八百万の神々(豪族)が出雲へ集まって会議をしていた。従って、出雲では神無月を神在月(かみありづき)と云う。
その頃には龍蛇神(りゅうじゃじん、龍蛇様、龍蛇さん)と呼ばれるセグロウミヘビが南洋から黒潮に乗り、対馬海流に乗って島根県の海岸に流れ着く。この龍蛇様を出雲大社(出雲市、出雲国一宮)や佐太神社(松江市、出雲国二宮)に奉納する。
旧暦の10月10日から17日、出雲大社の「神在祭(かみありさい)」では、稲佐の浜に集まった八百万の神々を迎える神迎神事(かみむかえしんじ)が行われ、龍蛇神が先導して出雲大社にお迎えする。
蛇の古語や方言は、ヘミ(巳)、ハミ(咬み)、ハメ、ハブ、ハハ、カカ、カガ、カガシ、カガチ、ナガ(長い)、ナギ(凪)、クチナハ(くちなわ、朽ちた縄)、クチナ、クツナ、ナガムシ(長い虫)などと非常に多い。
俳句では「くちなは」は夏の季語になっている。「ナガ」はインドのナーガ(蛇神)が語源かもしれない。「長い」と云う日本語の語源もインド由来か。
旧約聖書の創世記には、アダムとエバが狡猾な蛇(サタン)に騙され、神にエデンの園から追い払われたと記されている。ユダヤ教徒・キリスト教徒・イスラム教徒は蛇に良い感情を持っていないかもしれない。私も旧約聖書を読むが、旧約聖書を読む前の子どもの頃から蛇が嫌いだったように思う。
欧米の医療関連では、杖(棒)に蛇が巻き付いたマークがよく使われる。世界保健機関(WHO)、アメリカ医師会もこれを使っている。日本医師会も蛇のマークを使っている。
日本の救急車やドクターヘリにも蛇のマーク(Star of Life)がついている。
これらのマークはギリシャ神話の医術の神「アスクレピオス」が「蛇の巻き付いた杖」を持っていることに由来する。
私も巳年には年賀状に「蛇と杖のマーク」を使っています。
古代エジプトのファラオであるクレオパトラ7世(BC69年-BC30年)の王冠にコブラがついている。コブラは「太陽神ラーの使い」で、王権の象徴とされ、ツタンカーメン(BC1342年頃-BC1324年頃)の黄金マスクにもコブラがついており、壁画にも多く描かれている。
明石市の「青龍神社」を投稿しましたのでご覧ください。
印南神吉 メールはこちらへ nigihayahi7000@yahoo.co.jp